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「おもしろいハイパーカジュアルゲーム」と聞いて、どんなものを思い浮かべますか?
ゲームの内容、デザイン、キャラクターの動き、プロモーションの良さ……
様々な要素が出てくると思います。
おもしろいゲームタイトルを作るには、そのどれもが大切な要素の1つ。
しかしすべてを一気に理解しようとすると、中途半端なゲームを作り上げてしまう可能性があるのです。
そこでおもしろいハイパーカジュアルゲームを作るために必要な要素を1つ1つ掘り下げてみることにしました。
今回取り上げるのは「中毒性」です。
まず中毒という言葉は、何かに対して依存した状態であることや、それがない状態が考えられないことを指します。
つまり中毒性とは、依存させる性質のこと。
中毒性の高いハイパーカジュアルゲームには依存させるだけの魅力があると考えられます。
依存というとかなり強い意味合いに聞こえますが、要はハマっている状態のこと。
そのゲームに夢中になって抜け出せなくなる要素のことを表しているのです。
中毒性を兼ね備えることで何がよくなるのか。
1番影響を受けるのは、リテンションだといえるでしょう。
リテンションとは獲得したユーザーがアプリを継続して使い続けているかという指標。
リテンションが高いと、ユーザーが何日もそのアプリを開き続けているということになります。
つまり中毒性が高ければ高いほどリテンションはアップ。
さらにリテンションが上がるとプレイヤーはその分広告を再生してくれるので、LTVも上がっていくのです。
※LTVとは…Life Time Valueの略。顧客生涯価値のことで、1ユーザーがどれだけ収益をもたらすかの指標となる。
LTVが高ければ高いほど広告にもお金をかけられますし、その分利益は増えていくと考えられます。
つまりハイパーカジュアルゲームのマネタイズにはこのリテンションが欠かせないポイントとなるのです。
そんなリテンションやLTVを上げるのに重要な「中毒性」。
どうすれば上げることができるのでしょうか。
ハイパーカジュアルゲームの中毒性を上げるためには、いくつかの方法があります。
すべてを兼ね備えている必要はありませんが、そのゲームの特性によって組み合わせたり、1つを極めたりといろいろな使い方を試してみてください。
どのハイパーカジュアルゲームにも共通していえるのが、難易度を適切に保つべきだということ。
簡単過ぎれば飽きられてしまうし、難し過ぎれば離脱の原因になります。
ハイパーカジュアルゲームの難易度を調整する上で重要なのがプレイヤーの反応を見ることです。
ハイパーカジュアルゲームはリリースしたら最後というわけではなく、テストやアップデートを繰り返してより良いアプリを作り上げていきます。
そのためリリース後もプレイヤーの動きや反応をチェックし、効果を見ながら難易度を細かく調整していく必要があるのです。
ちなみに操作を難しくするとハイパーカジュアルゲームの良さが薄まるので、ゲームの難易度は上げても操作の難易度は下げないように気を付けてください。
ユーザーがどこで離脱しているのか、極端にクリア率が上がって(下がって)いないかなどをチェックしながらこまめに調整を行いましょう。
「Oddly Satisfying Video」というものをご存じでしょうか。
直訳すれば「妙に満足する映像」。
つまり、なぜかわからないけれど見ていて気持ちの良い映像がじわじわと人気を集めているのです。
例えばこんな感じ。
なぜか見続けてしまう、見ていて快感を感じる、見終えた後に満足感があるという人は多いはず。
こういった映像には、言語化するのは難しい妙な気持ちよさを感じることがあるのです。
この感覚には個人差がありますが、より多くの人の感覚に訴えるものを作り出すことができれば、アプリに中毒性をもたらすことができると考えられます。
Oddly Satisfyingと呼ばれるジャンルの映像にはとんでもなくたくさんの種類があります。
紹介した動画のように何かを切る映像だけでなく、キラキラしたもの、潰したり壊したりするもの、何かを落とすものなど、探せばキリがありません。
ただそれだけ可能性はたくさんあるということ。
YoutubeやInstagramにたくさんアップされているので、ぜひアプリのアイディア探しにチェックしてみてください。
ゲームをプレイした時、そのプレイを褒め称えることはもはや暗黙の了解。
そこにさらなる中毒性を付加するには、パーフェクトなプレイをより称えることが重要であると考えられます。
例えばあるゲームを1ステージクリアした場合、毎回「GOOD!」という褒め言葉と同時に100コインが与えられるとします。
しかしそれだけではプレイを続けていくうちに単調な動きに飽きてしまう可能性があるのです。
そこで、同じゲームでも最短の動きでクリアした場合には、画面がキラキラと輝き、「PERFECT!!!!!」と褒め称えられ、いつもの倍である200コインが与えられるとしたらどうでしょう。
プレイヤーはその派手なパーフェクトの演出に中毒性を覚え、パーフェクトの報酬ほしさに何度も何度もプレイしてしまいます。
難易度調整に関しては前述しましたが、このパーフェクトについても調整は必須。
簡単にパーフェクトが出せてしまうと飽きの原因になりますが、難しすぎるとプレイヤーは自分のプレイに対し自信をなくして離脱します。
プレイヤーの動きを見ながら少しずつ調整するのがおすすめです。
人は努力をしたものに対し結果が現れると喜びを感じます。
ハイパーカジュアルゲームの中でこの”結果”に当たるのが「レベル」や「ポイント」です。
ゲームを進めていくことでステージやレベルが上がっていけば、プレイヤーはその数字に自らの努力の結果を見てとることができます。
またゲームクリアの報酬としてポイントやコインが溜まっていくことで、満足感を得ることができるのです。
さらに、ステージを進めたりポイントを溜めたりすることによって、「やめるのがもったいない」という心理も生まれてきます。
今やめたら努力が無駄になってしまうという思いから、アンインストールすることなくプレイするようになるのです。
ハイパーカジュアルゲームに中毒性をもたらすポイントを4つご紹介させていただきました。
おさらいしておくと…
①プレイヤーの動きを見て難易度を調整する
②Oddly Satisfyingな要素を取り入れる
③パーフェクトに特別な報酬をつける
④レベルやポイントを溜めさせる
ゲームの世界観やおもしろさに加えてこれらを意識することができれば、より中毒性の高い(=収益性の高い)ハイパーカジュアルゲームを作ることができます。
ぜひハイパーカジュアルゲームを開発する際に思い出していただけると幸いです。
レビュー記事もたくさん掲載しているので、中でも「中毒性」という部分の評価はぜひ参考にしてくださいね!