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「ハイパーカジュアルゲーム」という言葉は2018年ごろから普及し始めました。
まだ新しい言葉であるため、気になるけれど詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。
ハイパーカジュアルゲームはかなり効率の良いビジネスモデルであり、現在も多くの個人・法人が開発に乗り出している事業です。
しかしまだまだブルーオーシャン。これからの参入でも十分間に合うビジネスモデルといえます。
つまり、知っている人が得をする分野なのです。
この記事では、そんなハイパーカジュアルゲームについて初心者向けに詳しくご紹介。
なるべくかみ砕いてご説明しているので、アプリ開発にあまり詳しくない方でも読みやすいと思います。
ぜひ世界中が注目しているハイパーカジュアルゲームについて学んでみてください。
まずはハイパーカジュアルゲームがどういうものかをご説明していきます。
ハイパーカジュアルゲームは集客と収益の両方を広告に頼ったスマートフォン向けゲームアプリ、およびそのビジネスモデルのことを指します。
ゲームとしては特に言語を必要とせず、国籍、性別、年齢問わず誰でも簡単にプレイすることができること、チュートリアルのようなものも存在しなくとも直感的に遊べることが特徴です。
同じような言葉で「カジュアルゲーム」という言葉も存在していますが、どう違うのでしょうか。
カジュアルゲームとは、誰にでもできる簡単なゲームのこと。
これだけ聞くと何の違いもないように思えてしまいますが、それもそのはず。
カジュアルゲームという大きな括りの中にハイパーカジュアルゲームが存在しているのです。
近年、CPI(アプリのインストール単価)の全体的な低下や広告収益の高騰によって、カジュアルゲームによる収益化のハードルが劇的に下がりました。
これによってスマートフォンの広告環境により最適化された形でビジネス展開を行うカジュアルゲームが市場に現れ、「ハイパーカジュアルゲーム」と呼ばれる新たなビジネスモデルへと確立していったのです。
既存のカジュアルゲームとの違いを挙げるなら「集客の仕組み」と「スケールの大きさ」だといえるでしょう。
ハイパーカジュアルゲームは集客をすべて広告にゆだねています。
その配信先は日本だけでなく、世界。
最初から世界中のユーザーにダウンロードしてもらうことを前提に、リリースしたアプリの広告を打ち出していくのです。
数秒から数十秒の広告を見たユーザーに興味を持ってもらい、ダウロードにつなげるのがハイパーカジュアルゲームの集客のすべて。
つまりその広告がかなり重要となってきます。
ハイパーカジュアルゲームは集客とマネタイズの両面で広告を使っています。
まずはハイパーカジュアルゲームにユーザーを集めるための広告についてです。
前述しましたが、ハイパーカジュアルゲームは多くのユーザーを獲得するため、世界中に広告を配信します。
その広告を見たユーザーに、このアプリは魅力的だと思わせる必要があるのです。
しかしむやみやたらに広告を打ち出していてはユーザーは獲得できず、広告費だけが消費されていきます。
これでは効率の良いビジネスとは到底申し上げられません。
なぜハイパーカジュアルゲームが儲かるのかというと、相当数のダウンロードが見込めるアプリのみ大々的に打ち出していくからなのです。
ハイパーカジュアルゲームの開発は、最初から完璧に行われるわけではありません。
まずはプロトタイプと呼ばれる、基礎的な仕組みやデザインのみ実装したアプリをリリースします。
そしてその試験的な段階で一度広告を配信するのです。
ある程度配信したところで効果を測定し、一定の基準を満たしたものだけ本リリースに向けて動いていきます。
そうすることで、まだ制作費用も時間もかけていない段階で見込みのないアプリをふるいにかけることができるのです。
ちなみに本リリースするかの判断をする際、よく使われるのがCPIという値。
Cost Per Installの略で、アプリのインストール単価のことを指します。
次に、アプリの収益を作るための広告についてです。
ハイパーカジュアルゲームはダウンロード無料、課金なしというモデルで作られているため、収益のほとんどを広告でまかないます。
(アプリ内の広告を消すための課金枠を設けているアプリもあります)
アプリ内広告にはいくつか種類があり、主に使われるのが「バナー広告」「インターステイシャル広告」「リワード広告」の3つです。
バナー広告はイメージしやすいかもしれませんが、アプリの上部や下部などに設置される小さめの広告枠。
クリックされることで成果となることが多いものです。
アプリの全画面を使って流れる広告のこと。
一般的にはステージ終了時やレベルが上がる時など、ゲームの節目のタイミングで表示されます。
一定時間視聴するとスキップ可能になる動画広告が多く配信されています。
アプリ内でインセンティブを付与する代わりに視聴してもらう広告のこと。
インターステイシャル広告と違ってスキップすることができず、最後まで視聴することを条件にインセンティブを受け取ることができます。
パズルゲームでヒントをもらう際や、ゲーム内コインを増やす際などに使われることが多いものです。
ハイパーカジュアルゲーム内では、これらの広告をアプリの特性やユーザーの反応によってうまく使い分けなければなりません。
広告が少ないと収益が減り、多すぎると離脱の原因になるため、バランスよく設置していく必要があるのです。
広告には集客とマネタイズの二面があるとお伝えしましたが、集客に使う広告についてもう少し詳しく説明しなければなりません。
ハイパーカジュアルゲームでは集客のほとんどを広告で行うため、世界中のより多くのユーザーに対して広告を打ち出す必要があります。
となると、その広告費は莫大なものになってしまうのです。
ハイパーカジュアルゲームは個人でも簡単に開発ができるとうたわれているものの、そのような広告費を個人で用意することは難しいといえるでしょう。
そこで利用したいのがパブリッシング事業というもの。
パブリッシング事業を利用すれば、自らで広告費を用意する必要はなくなります。
ハイパーカジュアルゲームの集客にかかる費用はとても大きなもの。
しかしアプリをより多くのユーザーに届けるためには必要な費用となります。
その広告費を工面してくれるのがパブリッシング事業を行っている会社(=パブリッシャー)です。
パブリッシャーはデベロッパー(アプリ開発者)が作ったアプリに対し、デベロッパーの代わりに広告を作成・配信します。
パブリッシング事業は無料で行えるもの。
その分、パブリッシャーを通してリリースしたアプリについては利益を分配することとなります。
ハイパーカジュアルゲームはヒットすれば億単位の利益が見込めるため、分配したとしてもかなりの額を手に入れることができるのです。
パブリッシャーと呼ばれる企業はいくつかありますが、中には企画の相談やノウハウの提供をしてくれる企業もあります。
まだハイパーカジュアルゲームを作り始めている段階からサポートを受けることができるので、初心者でも安心してアプリ開発に携わることができるのです。
特にマーケティング周りに関しては苦手な方が多く、そういった部分をパブリッシャーに任せることでデベロッパーはアプリ開発に専念することができます。
ではここからは実際にハイパーカジュアルゲームを作る際のフローについてご紹介していきます。
ハイパーカジュアルゲームを作るの必要なのはPCとスマートフォンのみです。
ただ注意したいのが、iOSアプリはMacのパソコンでしか作れないということ。
Androidであればどちらのパソコンでも対応できるのですが、iOSアプリを制作したい場合はMacのPCを用意してください。
ハイパーカジュアルゲームはUnityというツールを使って開発することがほとんど。
個人であれば無料で使うことができるので、まずはUnityをダウンロードして慣れることから始めましょう。
Unityで使用する言語はC#と呼ばれているもの。
こちらの言語を習得していない場合は、C#の勉強から始めましょう。
ちなみにUnityにはアセットという素材が用意されているため、デザインなどはできなくてもOKです。
環境が整ったら、実際に開発するハイパーカジュアルゲームの企画を考えましょう。
アイディア出しに詰まった際はぜひ以下の記事もご覧ください。
⇨ハイパーカジュアルゲームのアイディアを探す方法! 企画に困ったらこれを見よ!
企画が固まったらプログラミング作業に入ります。
前述の通り最初から作り込むのではなく、まずはプロトタイプの制作でOK。
まずは数ステージ作成した段階でユーザーの反応を見るため、開発にはあまり時間をかけすぎないようにしましょう。
アプリが完成したら実際にリリース作業です。
リリースにはアプリストアにデベロッパー登録をする必要があります。
iOSアプリであればApple Developer Program、AndroidアプリであればGoogle Playのライセンス登録をしておいてください。
ここまでの流れをより詳しく知りたい方はこちら↓
ここまでハイパーカジュアルゲームの基礎をご紹介してきましたが、最後にハイパーカジュアルゲームで成功するためのコツをお伝えしたいと思います。
ハイパーカジュアルゲームをヒットさせるためにはたくさんの企画を回していく必要があります。
良い企画ができたらプロトタイプを作成し、広告を打ち出しながらテストをしている段階でさらに企画を出す。
こうした流れを効率よく、さらに根気よく続けていくことが重要です。
もちろん1つ目のアプリが大ヒットということもあるのですが、テストの結果によっては次のアプリに移行せざるを得ないことは心得ておきましょう。
ハイパーカジュアルゲームのヒットの鍵は、すでにヒットしたアプリにあります。
ゲームの内容だけでなく、スキンの種類、エフェクト、ステージの難易度などを学ぶため、どんどん他のハイパーカジュアルゲームをプレイしてみてください。
おすすめはアメリカのアプリランキング上位にランクインしているアプリを遊ぶこと。
また、ランクインしていないアプリと比較してみるのもおもしろいですよ!
アメリカのランキングを見る方法などはこちらの記事に掲載しています。
ハイパーカジュアルゲームは開発すれば終わりというビジネスモデルではありません。
開発したプロトタイプアプリの広告を打ち出し、基準を超えたものは本リリースに向けて改修を行い、本リリースしたものはユーザーの反応を見ながら収益化をはかります。
特に個人で開発をしている人であれば、こうしたフローのすべてを担うのは至難の技。
そのためパブリッシング事業をうまく利用し、自身はハイパーカジュアルゲーム開発に専念するといった方法が効率的なのです。
パブリッシング事業を利用するのに費用はかからないので、ぜひ集客やマネタイズの部分はパブリッシャーに任せてみてください。
ハイパーカジュアルゲームについて理解は深まりましたでしょうか。
アプリ開発の中でも、ハイパーカジュアルゲームは比較的手を出しやすいジャンル。
難しい仕組みやデザインが必要ないため、短期間での開発も可能です。
それでいて世界中のユーザーを視野に入れているため、その市場規模はかなり大きなもの。
ヒットアプリを出すことができれば億単位での収益が見込めるという夢のあるビジネスです。
ぜひ私たちと一緒に世界中でプレイされるハイパーカジュアルゲームを作りませんか?